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ABC胃がんリスク健診でC判定(正しくはD群)される方の受診が目立ちます。多くは女性です。D群とは、ピロリ菌陰性、ペプシノーゲン法陽性の方が該当します。つまり、ピロリ菌が生存困難な程度に胃粘膜が萎縮しきった状態:木村・竹本分類でのO-3を意味します。しかし、もともと胃粘膜が薄くペプシノーゲン分泌の少ない女性が多い様です。ですからABC健診でC判定を受けるのですが、じつは、ピロリ菌感染した経験が無く、単にペプシノーゲン分泌が少ないだけなのです。ABC胃がんリスク健診は昏迷しています。胃カメラを行いますと殆どの方がA群と分かります。胃カメラで何故A群と判定することが出来るのか?。当HPの胃がんリスク頁をご覧下さい。恐らく、ABC健診は今のままでは無くなるでしょう。

2015年10月01日

ピロリ菌について

殆どの胃がんの原因がピロリ菌の感染と判明しています。ピロリ菌に感染したからといって直ぐに胃がんが生じる事は有りませんが、不安に感じている方もいらっしゃると思います。ピロリ菌について考えて見ましょう。

ピロリ菌の感染経路は不明です。戦後の汚染水や、乳幼児期に口移しでの給餌が原因とする話も聞きますが、私は、違うのでは無いかと思っています。便中ピロリ抗原という検査があります。ピロリ菌の検査は尿素呼気試験が良いと言われていますが、便中のピロリ抗原検査も同じくらいだと評価されます。つまり、ピロリ菌を持っている人は便中にピロリ菌が排出される事が想定されます。下痢など、お腹の調子を崩した時にタオルやドアノブなど、共通に触れる所から、同じ家庭内で感染が成立するのではないかと思っています。

ABC健診にてC判定される事について、お知らせの胃がんについてNEW にて触れました。日常、胃部痛や胃部不快が有り、胃が気になる方が、胃カメラ迄受けなくても血液検査のみの簡単なABC胃がんリスク健診を受けてみようかしらと思うのでしょうか?先述のように本来A群の方がC群判定されますので、胃部症状が有り胃を心配されている方がこのような結果を通知されると、本当に迷惑な事だと思います。

ピロリ菌陽性と指摘されたけど、他の家族は大丈夫かしら?

現在の制度上、胃カメラを受け、ピロリ菌感染による胃粘膜変化を認める場合に限って、ピロリ菌除菌を保険診療で行う事が出来ます。ですから基本的には胃カメラを受けて頂く事になります。当院では中学生で検査を受ける方が毎年居ます。しかし、ピロリ除菌を考えた場合、沢山の除菌治療薬を服用しますので、身体がある程度成長した高校生頃の検査、除菌が良いのではと思います。

自費でのピロリ検査は?

自費にて胃カメラを受けずに、ピロリの検査、陽性の場合にはその治療も一つの選択肢だと思います。

只、この場合には胃カメラで胃がん及び胃がんリスクのチェックが掛かりません。また自費にて行うと、その後の除菌確認検査も自費になります。

ピロリ除菌確認はどうでしょうか

昨春に新しいPPIという胃酸抑制薬がでてから、除菌に失敗する方は少なくなりました。除菌治療を受けた以上は、一刻でも治療が上手くいきピロリ菌が退治出来たのか知りたい事と思います。しかし、当院では概ね除菌治療後、半年での確認検査をお勧めしています。2~3ヶ月程で行っている医療機関も多い様子です。

ピロリ抗体価検査の不確実性について

当院での経験から。当院では胃潰瘍等に対して開院当初からピロリ除菌治療を行っております。ピロリの抗体価は10以上を陽性と判定しますが、十年以上前に胃潰瘍があり、ピロリ抗体価が100以上、ピロリ除菌治療を実施し、その後に、尿素呼気試験でピロリ除菌成功を確認。しかし、ピロリ抗体価は最初の2~3年は、前年の1/2程度に下がり、その後の抗体価は12~3程度で推移する方を複数経験します(毎年、定期に当院での人間ドックを受けている方で自費でピロリ抗体価を測定しています)。つまり抗体価では陰性にならないのです。

ピロリ抗体陽性、慢性胃炎有との健診結果を持参され、ピロリ菌除菌を希望される方が居ます。

胃カメラでのピロリ陽性を示唆する所見が有れば除菌を実施出来るのですが、殆どが、慢性胃炎、萎縮性胃炎の診断のみでピロリ菌が今も居るのか、既に居なくなっており既往感染の跡として胃炎なのかが全く分からないのです。抗体価の数値が記載されていると参考になるのですが、只、抗体価陽性ではピロリ菌感染陽性にはなりません。ピロリ菌除菌治療には大量の抗生剤を使用します。ですから、除菌治療が必要な正確な根拠が無くてはなりません。不必要に治療を行い、薬の副作用が生じた責任は取れません。

2015年10月01日